トーナメント戦略
序盤からファイナルテーブルまで徹底攻略
トーナメントポーカーの基礎
トーナメントポーカーはキャッシュゲームとは全く別のスキルセットを要求します。ICM(独立チップモデル)の理解、スタックサイズへの適応、各フェーズでの調整が成功のカギ。大きな配当は上位に集中するため、ディープランとファイナルテーブルでのプレーが長期的ROIを左右します。
ICM(独立チップモデル)を理解する
ICMは賞金配分に基づいてあなたのトーナメントチップの価値を算出するモデルです。キャッシュゲームのようにチップ=現金ではなく、スタックサイズや他プレイヤーのスタック、賞金ジャンプによって価値が変動します。
ICMの重要コンセプト
- チップは増えるほど限界価値が下がる
- 生き残ることがチップ獲得より価値を持つ場面がある
- ショートスタックはビッグスタックよりもリスクを取る動機が強い
ICMを実戦に活かす
- 賞金ジャンプが見えているときはマージナルなスポットを避け、順位を上げることを優先する
- ビッグスタック同士の大きな衝突は避ける
- ICMizerなどのツールでプッシュ/フォールドレンジを学習する
フェーズ別の戦略
序盤
スタックは100BB以上でICMの影響は小さい。目的はスタック構築。
- スーテッドコネクターやポケットペアなど投機的ハンドを多めにプレー
- ポジションを生かして安いフロップを見に行き、ポストフロップで勝負する
- 強いハンドがないときは巨大なポットを避ける
中盤
スタックは20〜50BBに縮み、ICMのプレッシャーが増加。生存が重要になる。
- スタックが減るほどプリフロップレンジを引き締める
- ショートスタックにプレッシャーをかけ、チップリーダーとの衝突は避ける
- バブルが近づいているか常に意識して調整する
終盤・ファイナルテーブル前後
スタックは10〜20BBになり、ICMの影響が最大。プッシュ/フォールドが中心になる。
- 自分のスタックサイズに合わせたプッシュ/フォールドレンジを把握する
- ICMの影響が非常に大きいため、ツールで検証したラインを採用する
- 賞金ジャンプとラダーアップを常に念頭に置く
バブルでの立ち回り
バブルは賞金圏にあと一歩の局面。ICMプレッシャーがピークに達し、戦略的調整が不可欠です。
ビッグスタック
- バストを恐れるミドルスタックへ最大限のプレッシャーをかける
- 他のビッグスタックとの大きなポットは避ける
- 怯えた相手から積極的にブラインドとアンティを奪う
ショートスタック
- ミドルスタック相手にダブルアップできるスポットを探す
- 状況が許すなら通常より広いレンジでプッシュする
- ブラインドで削られないよう、リスクを取るべき場面を見極める
低額バイインでのエクスプロイト
大規模フィールドの低額トーナメントでは、特に終盤でプレイヤーが過度にタイトになる傾向があります。アグレッシブなスティールで大きなEVが得られます。
積極的なスティール戦略
- レイトポジションからレンジを広げよう――多くの相手が簡単にフォールドする
- 大規模フィールドではバストを恐れる心理を徹底的に突く
- アンティが入っている状況ではさらにブラインドを盗む頻度を上げる
ミニレイズ vs オープンシャヴ
- スタックが12BBでも、ミニレイズの方がEVが高い場面は多い
- ミニレイズなら3ベットにフォールドしてチップを温存できる
- 小さなレイズに相手が過剰にフォールドし、安価にスティールできる
ファイナルテーブル攻略
ファイナルテーブルは最大の賞金が懸かる場面。ICMプレッシャーが最高潮で、一手ごとに大きな価値が生まれます。
FTでのICMプレッシャー
大きな賞金ジャンプによりICMが支配的になります。ミドルスタックは過度にタイトになりがちで、チップリーダーやショートにチャンスが生まれます。
ディールを検討する
残り人数が少なくスタックが拮抗していると、ディール提案が増えます。ICMを理解すれば公正な条件で合意できますが、明確なエッジがあるならプレー続行を検討しましょう。
ヘッズアップでの戦い
ヘッズアップはアグレッシブで高バリアンス。広いレンジ、頻繁な3ベット、継続的なプレッシャーが鍵。レンジ表で事前に学習し、専用の練習を積んでおきましょう。
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